外国映画

映画レビュー「MONTEREY POP モンタレー・ポップ」

2024年3月14日
1967年、カリフォルニア州モンタレーで開かれた歴史的ロックフェス。ジミヘンもジャニスもザ・フーもここでブレイクした。

ロック界のレジェンドが一堂に

1967年6月。カリフォルニア州のモンタレーで、3日間におよぶ一大イベントが開催された。モンタレー・ポップ・フェスティバル。ロックを中心に、ジャズ、フォーク、ブルース、民族音楽と、多様なジャンルのミュージシャンが一堂に会し、熱気あふれる演奏を繰り広げた。

ジャニス・ジョプリン、ジミ・ヘンドリックス、ジェファーソン・エアプレイン、ザ・フー、ママス&パパス、オーティス・レディング……。今なおレジェンドとして不滅の輝きを放ち続けるアーティストたちが、絶頂期のプレーを披露する。

喉も肺も破裂してしまのではないか。足を床に叩きつけながら熱唱するジャニス・ジョプリン。客席でポカンと口を開けて聴き入るママパパのキャス・エリオット。

ザ・フーの文字通り破壊的なステージのすさまじさ。振り上げられ、叩きつけられるギター。蹴飛ばされ、転がるバスドラ。このステージを見て慌てたジミ・ヘンドリックスが、負けまいとステージ上でギターを燃やす暴挙に出たという話がある。さもありなんである。

ジャニスもフーもジミヘンも、モンタレーで知名度を上げて、大ブレイクを果たし、2年後のウッドストックではスーパースターとなる。

そんな若々しいミュージシャンたちの迫力あるパフォーマンスが続いていく。本作は、この歴史的コンサートの模様を、見事なカメラワークで記録した音楽ドキュメンタリーの傑作である。監督は、ダイレクト・シネマの旗手として名高いD.A.ペネベイカー。

今回公開されるのは、1968年に公開されたオリジナルを4Kにグレードアップしたもので、画質も音質も飛躍的に向上している。

67年の夏といえば、サマー・オブ・ラブ。みんながドラッグに酔い、自由に愛し合い、ベトナム反戦を叫び、そしてロックに聴き入った。サイケの時代でもあった。

本作では演奏場面のほか、会場風景や観客の表情にもカメラが向けられ、カラフルで開放的なムードを映し撮っている。観客として訪れたブライアン・ジョーンズの姿も見えるのでお見逃しなきよう。カメラマンが見つけて、すばやくズームインしている。

このブライアンは本フェスの2年後に、ジミヘン、ジャニス、キャンド・ヒートのアラン・ウィルソンは3年後に死んでしまう。オーティス・レディングに至っては、何と半年後に事故死してしまうのだ。みんな20代。短く激しく燃え尽きた彼らの姿を永遠に留めた映画としても、本作は一見の価値がある。

映画レビュー「MONTEREY POP モンタレー・ポップ」

MONTEREY POP モンタレー・ポップ

1968〈4Kレストア版2017〉、アメリカ〉

監督:D.A.ペネベイカー

公開情報: 2024年3月15日 金曜日 より、渋谷シネクイント・立川シネマシティ他 全国ロードショー

公式サイト:http://mp.onlyhearts.co.jp/

コピーライト:© 2002 THE MONTEREY INTERNATIONAL POP FESTIVAL FOUNDATION, INC., AND PENNEBAKER HEGEDUS FILMS, INC. 🄫2017 JANUS FILMS

配給:オンリー・ハーツ

文責:沢宮 亘理(映画ライター・映画遊民)

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