外国映画

映画レビュー「また会えるよね」

2026年7月16日
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人生に別れは付きもの。だが、この映画に描かれた別れは特別だ。甘く、切なく、懐かしい。誰もが経験したあの頃の感情が甦る。

「永遠の別れじゃない」「また会える」

ジャック・ロジエと並ぶヴァカンス映画の名匠、ギヨーム・ブラックの最新作。南フランスの風光明媚な田舎町ディーを舞台に、卒業を控えた高校生たちの最後の夏を記録したドキュメンタリーである。

当初はフィクションを構想していたが、人物像がステレオタイプになるのを避けるため、ドキュメンタリーで撮ることにしたそうだ。

主要な登場人物は、オーロール、ジャンヌ、ヌルス、ディアーヌという4人の女子。いずれも当地の高校に通う生徒で、全員が寮生活を送っている。

寮では、卒業後の進路や友情について語り合いつつ、マットレスでドミノ倒しなんてバカ騒ぎもする。そして、寮の外では、川遊びや高原でのレイヴパーティ。まさに青春真っ盛りの溌剌とした姿が映し出されていく。

だが、それは決して純度100パーセントの明るさではない。彼女たちの表情にふと翳りの見えることがある。まもなく終わる日常への哀惜、新生活への不安。コントロールできない時間の流れが、4人の心をかき乱していく。

本作は、映像とは独立した形で4人のナレーションを一人ずつ順番に流し、彼女たちの少女時代を紹介していく構成をとっている。これにより、ステレオタイプに収まらない彼女たちのパーソナリティも表現されているわけである。

さて、いよいよその時はやってくる。ドレッドヘアを切る男子。一人また一人と寮を去って行くクラスメートたち。壁のポスターやカードが外され、ガランとした空間が映し出されていく。

「永遠の別れじゃない」「また会える」。涙、ハグ。大きなリュックを背負って、駅のプラットフォームへ。電車が入ってくる――。

人生に別れは付きもの。だが、この映画に描かれた別れは特別だ。甘く、切なく、懐かしい。誰もが経験したあの頃の感情が甦る、青春映画の新たな傑作。

映画レビュー「また会えるよね」

また会えるよね

2024、フランス

監督:ギヨーム・ブラック

公開情報: 2026年7月18日 土曜日 より、ユーロスペース他 全国ロードショー

コピーライト:© bathysphere productions - 2024

配給:エタンチェ

文責:沢宮 亘理(映画ライター・映画遊民)

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