外国映画

映画レビュー「MOTHERLAND」

2026年7月3日
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ソ連崩壊後、アメリカから故郷リトアニアに渡り、新生活を始めた母と息子。二人が直面する現実を、息子の視点から鮮烈に描き出す。

少年のナチュラルな演技

ソ連が崩壊し、生まれ故郷のリトアニアに里帰りすることになったシングルマザーのヴィクトリアと、息子のコヴァス。自然豊かな母の祖国は、アメリカの都会育ちのコヴァスにとって全くの異国だ。

内気な性格もあって、コヴァスはなかなか現地の子供たちの輪に入れない。アメリカから持ってきたチューインガムを配り、歓心を買おうとするが、なかなかうまくいかない。

一方、ヴィクトリアは久しぶりに会う親戚や友人たちと旧交を温め、楽しそうである。もともと美貌で男性の注目を引くタイプ。かつて恋人だったロマスと親し気に接する母親の姿に、コヴァスはますます孤独感を募らせる。

そんなコヴァスの鬱々とした毎日に変化が訪れる。ロマスの娘マリア。同年代の少女への接し方を知らないコヴァスだったが、マリアがリードし、少しずつ距離は縮まっていく。

一方、ヴィクトリアはロマスとともに、昔住んでいた家と土地を取り戻そうと現地に向かうが、そこには新しい住人が暮らしていた。交渉の余地はなく、途方に暮れるヴィクトリア。そこにロマスの知り合いの実力者が現われ、事態は好転するかに思われたが――。

アメリカからリトアニアに渡り新生活を始めようとした母と息子が直面する現実を、息子の視点で描いた本作。同年代の少女と過ごす時間や、母親の生々しい女の顔を目撃する瞬間など、思春期の少年の戸惑いや動揺が鮮烈に描かれている。

息子役のマータス・メトレフスキが、不安気でありつつも、性的好奇心にあふれた少年をナチュラルに演じ、強い印象を残す。

映画レビュー「MOTHERLAND」

MOTHERLAND

2019、リトアニア/ラトビア/ドイツ/ギリシャ

監督:トーマス・ヴェングリス

出演:マータス・メトレフスキ、セヴィリヤ・ヤノシャウスカイテ、ダーリウス・グマウスカス、バルボラ・バレイキテ

公開情報: 2026年7月4日 土曜日 より、シアター・イメージフォーラム他 全国ロードショー

公式サイト:https://motherland-gimtine.com/

コピーライト:© 2019 Studio Uljana Kim / Locomotive Productions

配給:太秦

文責:沢宮 亘理(映画ライター・映画遊民)

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