日本映画

映画レビュー「コネクション」

2022年2月24日
暴力団、ドラッグ、風俗…。危険な現場で取材する実話誌のライター・綾乃に、次々とトラブルやアクシデントが襲いかかる。

女性ライターが裏社会をルポ

浅間綾乃は「実話ボンバー」という雑誌で仕事をする26歳のルポライターだ。カメラマンの半沢と組んで、暴力団、ドラッグ、風俗、オカルトなど、危険な場所や怪しい現場を取材し、センセーショナルな記事にまとめている。

元々の志望はカルチャー系のライターだった。だが、今は裏社会の取材で味わうスリルが病みつきになっている。

奮闘するあまり、無茶な行動に走り、危ない目に遭うことも少なくない。カメラマンである半沢は、そんな綾乃の一挙手一投足にハラハラしながらも、彼女の取材を全面的にサポートしている。綾乃にとっては、心強い先輩である。

この二人が次から次へと取材をこなし、トラブルやアクシデントに巻き込まれながら、相棒としての絆を強めていく――。

男女コンビで危ない取材に挑んでいくのは、2017年に公開された「ベースメント」(2016)と同じだ。違うのは、中年男性と若い女性の組み合わせが、若い男女のペアに変わった点である。

井川楊枝監督によると、「ベースメント」の見習いライターが、成長して独り立ちする姿を描きたいと思って、本作を企画したとのこと。あくまで綾乃メインの映画を想定していたらしい。

それが結果的に綾乃&半沢のバディ・ムービーとなったのは、プロデューサーの大勝ミサが半沢役に上田堪大をキャスティングしたためだそうだ。

綾乃役の杉枝真結とともにアイドル系の容姿。華のある二人が中心に据えられたことで、画面が明るく引き立ち、多くの観客に受け入れられるポップな映画となった。

ほかに注目したい出演者としては、窪田美沙の名を挙げなければならない。「ベースメント」で家出少女を演じ、強烈な印象を残した窪田が、今回も家出少女として出演し、変わらぬオーラを放っているのだ。

“その後の家出少女”として窪田を再起用することも、やはり企画段階で構想していたそうだが、26歳で17歳の少女を演じ、全く違和感を抱かせない窪田美沙、只者ではない。

裏垢女子、元ヤン社長、闇の販売屋……全部で6つのエピソードから成る本作。「ベースメント」同様、井川監督のルポライターとしての経験や知識が各エピソードにリアリティを与えつつも、娯楽としての誇張や虚構、そしてユーモアも散りばめ、エンターテインメントとして高い完成度に到達し得ている。

1つのエピソードや人物を、後続のエピソードや人物に絡ませ、小道具もうまく生かしながら、ストーリーを進めていく構成も見事だ。あっという間の2時間。エンディングでは名残惜しさがこみ上げた。ぜひ続編を見せてほしい。

コネクション

2022、日本

監督:井川楊枝

出演:杉枝真結、上田堪大、窪田美沙、川上将大、瀬戸啓太、土井一海、斉藤悠、北代高士、中山峻、石山雄大、三浦浩一、西守正樹

公開情報: 2022年2月25日 金曜日 より、池袋シネマ・ロサ他 全国ロードショー

公式サイト:https://www.connection-movie.com/

コピーライト:© 映画「コネクション」製作委員会

配給:MARCOT

文責:沢宮 亘理(映画ライター・映画遊民)

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