外国映画

映画レビュー「 チャーリー・イズ・マイ・ダーリン 2Kレストア版」

2022年8月4日
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65年に行ったアイルランド・ツアーの記録。迫力のライヴに加え、プライベートな素顔も収録。若きストーンズの魅力が炸裂する。

65年のストーンズは熱かった

ローリング・ストーンズが65年の9月3日~4日に行ったアイルランド・ツアーを追ったドキュメンタリー。

ライヴ映像ばかりでなく、楽屋裏の表情とか、移動する列車内の様子とか、メンバーのプライベートな素顔も収録されていて、ストーンズ・ファンとしては見逃せないフィルムだ。

過去に海賊版ビデオが発売されているが、今回公開されるのは、2011年に発掘された未編集・未発表のライヴ映像を加えた完全版。

ミック・ジャガーとキース・リチャード(ストーンズでデビュー時にリチャーズのSを取ってリチャードと名乗り、70年代後半に現在の本名に戻した経緯がある)のホテルでのセッションなど、珍しい映像もプラスされ、若々しく野心満々な彼らの姿がたっぷり見られる。

 

この時期は、リーダーのブライアン・ジョーンズからジャガー、リチャードそしてマネージャーのアンドリュー・ルーグ・オールダムの3人に主導権が移りつつあった。その微妙な力関係が窺えるフィルムでもある。

この年の夏、ストーンズはジャガー/リチャードの手になる「サティスファクション」をリリース。アメリカでは放送禁止処分の憂き目に遭いつつも、ヒットチャートでは4週連続のナンバーワンを記録。爆発的なスマッシュヒットとなった。

 

ストーンズは、ブライアンの推し進めてきたR&Bのカバー路線から、オリジナル曲主体へとシフトチェンジを進めていた。

そういったバンド内の環境変化が応えていたのだろう。この映画のブライアンは心なしか寂しげに見える。デビュー当時の自信に満ちた表情はどこへ行ったのか。

しかし、ライヴになるとやはり精彩を放つ。デビュー以来、ストーンズはミックとブライアンの二枚看板。それはこの時期も変わらない。

ステージに上がるや、オーラが全身を包む。ロック史上に輝く「ラスト・タイム」のギターリフ。ブライアンの才気が曲を黄金色に輝かす。

興奮してステージに駆け上がる観客に抱きつかれ、もみくちゃにされるのは、ミックとブライアンだけだ。

4年後、ブライアンがストーンズをクビになり、自宅プールで怪死してしまうなんて、誰が想像しただろう。惜しい。悔しい。

昨年8月に逝去したチャーリー・ワッツの追悼公開だという。だが、53年前に早世してしまった孤高の天才ミュージシャンも忘れず追悼してほしい。

「ロックン・ロール・サーカス4Kレストア版」と併せて公開。

チャーリー・イズ・マイ・ダーリン 2Kレストア版

1965-2012、イギリス

監督:ピーター・ホワイトヘッド

出演:ザ・ローリング・ストーンズ

公開情報: 2022年8月5日 金曜日 より、Bunkamuraル・シネマ他 全国ロードショー

公式サイト:http://circus-charlie.onlyhearts.co.jp/

コピーライト:© 2012 Because Entertainment, Inc/ABKCO Films

配給:オンリー・ハーツ

文責:沢宮 亘理(映画ライター・映画遊民)

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